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読み むいみせんばん 正式名称 別名 和了り飜 役満 牌例 解説 「1・3・6」萬・白の刻子。 「無念千万」あたりの語をもじったという。 成分分析 無意味千万の52%は欲望で出来ています。無意味千万の23%は鉛で出来ています。無意味千万の12%は砂糖で出来ています。無意味千万の6%は世の無常さで出来ています。無意味千万の5%は記憶で出来ています。無意味千万の1%は嘘で出来ています。無意味千万の1%は勢いで出来ています。 下位役 上位役 複合の制限 採用状況 参照 外部リンク
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[投稿情報] 2010年08月13日 22 25 02 お名前 もちお ■二つ名 電子戯画(プラズマチルドレン) ■○お題1(kiri) 花の名前(花、華でも可)が入った名前 マトリカリア・九碑火=オニキシア ■お題1のふりがな まとりかりあ きゅうびか おにきしあ ■お題1のアピールポイント マトリカリアは、ころころとした小さい花弁 が愛らしい、かわいい花です。 確かkiriさんが以前に「小さい子が好き」と かおっしゃってたよーな記憶があったのでw (ぉぃ、折角なので子供っぽさの残るこの花 を選びました。 ミドルネームの漢字部分は「火」の字のイ メージがまず確定していて、それで最初は 『九火』(キュウカ)と付けていたんです が、 これだとちょっと響きが優しすぎる(間抜け すぎる?)感じがしたので、 ゆかりか、しゃなか、きりかと紆余曲折を 通った後でw 結局、回りまわって今の 「きゅうびか」に落ち着きました。 季莉火は、最後の最後でボツになりましたけ ど、字面がすごく気に入ってるので、いつか 別のキャラに付けてあげたいですね~。 サードネームのonixは「爪」 を意味するギ リシャ語で、花弁が丸く柔和なイメージのマ トリカリアの花とのギャップを狙って、あえ てこの言葉を選びました。 ただ、そのまま考えなしに「マトリカリア・ 九碑火・オニキス」としてしまうと、 やっぱり男性っぽすぎるというか、ちょっと キリっとしすぎてて、硬質なイメージに傾き すぎちゃうかな?と思い、少し熟考。 色々考えた結果、女性性を意識させる接尾詞 iaを足して、ちょっとだけ柔らかな音にして みました。※ ちなみに、マトリカリアの花言葉は、《集う 喜び》ですw またこの場に集まれて、嬉し いです!ww GM ガンバッテ クダサイネ!! (※ …がぅ。しかし。投稿した後になって 今更ですけど、ia+iaで音が重なるのは、 やっぱり、もうちょっと冷静に考えた方が良 かった、かも…。 もうちょっと考えれば、もっといい名前を付 けれたかもなぁ……あう。あうあうぅぅ。) ■○お題2(ふきゅう) 苗字に適当な四字熟語の前半2文字 + 名前に適当な3文字の単語をひらがなにしたもの 狂言へきさ ■お題2のふりがな きょうげん へきさ ■お題2のアピールポイント 狂言へきさは自我や自己について、すべての 人間が二面性ならぬ《六面性》を持っている と考える。 彼女もまた、自身の人格・パーソナリティを リヴォルヴァのように相手に応じてグルグル と切り替える。 口癖は「すまないね。いつものちょっとした 狂言癖さ」。 ■○お題3(やまいち) 名字と名前に共通した漢字一文字以上が入る 何月何日 ■お題3のふりがな なにらぎ いつか ■お題3のアピールポイント 何月何日は時間を弄ぶ少女。これ以上の情報 は私には はに私は報情の上以れこ。女少ぶ 弄ぶ少女。時間。 これ以上の情報・情の上以れこ。女… プ ツ ン … ・・・ ・ ・
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作者名 ARMYTOM(アーミートム) 別名義・旧名義...Atomic Sphere(アトミック スフィア)、ATM、FROLなど 詳細 概要 1998年からBMS作品を制作している、日本出身の作曲家。BOF2004など、BMSイベントで複数回の優勝経験がある。 作曲は1992年から始めており、BMSのドラムンベースシーン・テクノシーンを牽引したり、BOF (U) / G2Rシリーズの初代優勝者に選ばれるなど、超ベテランな作曲家。 「5鍵バカ一代」という愛称がつくほどに5鍵盤にこだわりがあり、事実、2010年にBMS『THE SEVEN』を制作するまでは7鍵盤の譜面を一度も制作したことがない。 ちなみにBM98時代ではBMS辛口レビューサイト「club Stubborn」のレビュアーを務めた経験がある。 BMSイベントを主催したり、BMSパッケージ企画を主催するなど活動は多岐に渡り、過去に5鍵盤譜面に限定したBMSパッケージ企画「plugout」シリーズを制作・リリースしている。 「plugout」シリーズは、四字熟語でコンセプトを決め、四字熟語に沿ったテーマのBMS作品を募集。そこから指定条件をクリアしたBMS作品のみを収録しているため、完成度の高いパッケージとなっている。 2012年には「plugout AE」という、BMSの流れを汲んだフリー音楽ゲームをリリースしている。 現在もBMS作家として活動中だが、アルバム制作や小説の執筆等に精力的で、そちらでの活動の割合が増えてきている。 ちなみに不定期で自作のBMS作品をまとめたパッケージを配布しており、古い作品の大半は高音質でプレイできるようになっている。 作風 ジャンルはTechno、Drum'n bass、Ambient、Minimalなど硬派なジャンルを扱い、クールでディストピア寄りな世界観の楽曲が多いが、近年は以前と比べて作風が変わってきている。 『OMEGA』シリーズ(うち2作品が「BM98 THE BEST」に選出)、『AMARANTH』『GRAB BACK』など数多くの名曲を生み出しているが、『ヒッポカンパスにおける記憶の断片化と再結合』 『omega iii - beyond the flare』などの異端なBMS作品も数多く、『ヒッポカンパスにおける記憶の断片化と再結合』はBMSで最も前衛的な楽曲の一つに数えられる。 ちなみに氏のBMS作品『EDENS』とDJ FenLile (Xacla)氏のBMS作品『chaotic city 2125』の2つが、最も古いアートコアのBMS作品とされている。 ちなみに本家IIDXの最初の公募で楽曲を出したことがあるらしい。(ツイート) ・BMSイベントにおける主な実績 B-1 ClimaX System-C...BMS『ヒッポカンパスにおける記憶の断片化と再結合』(愛新覚羅溥儀名義(※1))(vs ATM...勝利) club Stubborn the FINAL...BMS『prototype D.R.M.』(全10作品中...Total 1位 / Music 1位) BOF2004...BMS『AMARANTH』(全116作品中...Point 21位 / Average 1位)(全40チーム中...Point 4位 / Average 3位) 戦 [sen-goku] 國 ~夏の陣~...BMS『OMEGA XI』(全124作品中...Total 2位) BOF2009...BMS『Passing On The Stairs 』(全206作品中...Score 19位 / Average 21位)(全70チーム中...Score 3位 / Average 3位) BOF2010...BMS『THE SEVEN』(全278作品中...Score 28位(補正 36位)) / Average 12位)(全95チーム中...Score 7位 / Average 3位) ※BOF2004のリザルトはBOF2004のアーカイブページを参照 代表作 『omega iii - beyond the flare』『ヒッポカンパスにおける記憶の断片化と再結合』『AMARANTH』『GRAB BACK』『OMEGA IX』『THE SEVEN』 脚注 ※1 イベント終了までの間、p.p.(Bitplane)氏の愛新覚羅溥儀名義と自身のATM名義を交換している。 リンク HP:https //web.archive.org/web/20080607105658/http //atsp.bms.ms/ Twitter:https //twitter.com/armytom SoundCloud:https //soundcloud.com/army_tom BOOTH:https //atmspr.booth.pm/ BMS SEARCH:https //bmssearch.net/artists/9QQVFhkUahwilj BMS保管先:https //ia802207.us.archive.org/view_archive.php?archive=/32/items/armytom_bms/ARMYTOM_bms_collection.rar BMS保管先:https //ia802207.us.archive.org/view_archive.php?archive=/32/items/armytom_bms/ARMYTOM_package_collection.rar コメント 軍人のtwitter見てたらlifepool;のリマスター版販売してたのでコメ。omega iii - beyond the flareとか聞けるからほしい人は今のうち買って桶、ガチ名盤(前注文した時鉄147号とかの旧譜も在庫あった) -- (名無しさん) 2021-11-11 02 48 45 名前 コメント すべてのコメントを見る
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2006年12月1日、あったら嫌な妖怪に附色風狸(ふしょくふぅり)という四字熟語のおまけとしてhyousen氏が書き込んだ落語。 (あったら嫌な妖怪 0649) 本文内容 むかしむかし、唐の国で 倭国から輸入された「すねこすり」が大ブーム!! 上は王宮の君子官女から、下は長屋の陳さん李さんまで 「おはぐろべったり」ならぬ「すねこすべったり」で、 すりすりの技巧、毛並の珍奇などを競う「摩臑競」などは ひと月の内に全国各地で何十何百と行われる有り様。 中には一匹の価に、山が五十個は買える程の高額がつけられる 「すねこすり」も現われるようになりまして、 セレブや投機家はこぞってこれを買い求め 世はこれ「すねバブル」の活況を見せておりました。 そんなところに眼をつけて、 こいつでひとやまあててやろぅ――と考えたのが 唐の国、ちんぷん州の裏店に住む 「百眼銭」(ひゃくがんせん)という名のムカデの妖怪。 近所に住む漢学の先生から 「すねこすり」と「風狸」は毛色こそ違えど割と似ている、 と聴き出した「百眼銭」は、南国から「風狸」を捕ってきて、 その毛の色を染め替えて、にせ「すねこすり」を作って大儲け。 ところがひょんなことからこれが大発覚。 (すねこすりを食べようとした某公主様が すねこすりを切ろうとしたところ まったく切れなかった=風狸は刀などで切れないし、焼けない) お裁きにかけられた「百眼銭」は身代没収&遠島となりました。 にせ「すねこすり」にされていた「風狸」さんたちも 無事に開放されて、一件落着となりました。 …その後、「百眼銭」が島から帰ってくると 「すねこすり」ブームは沈静化し、世は新たに「かっぱ」ブーム真っ盛り。 百 「せんせぃ、ごめんくだせぇ、またイロイロとお訊ねしたいことが…」 先 「なんだ、また懲りずに【附色風狸】な商売をはじめる気か」 百 「いぇいぇ、ふうりはもぅ結構、 今度売るのは、きゅうりでございます」 ――偽典落語「すねこすり」(作/莱莉垣桜文)より あったら嫌な妖怪 鬼喜期待
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原語 memorandum 和訳 名詞 帳面、手帳、帳簿、台帳、備忘録、雑記帳 書き付け、控え、紙、箋、便箋、書き置き、置き手紙、覚え書き、留め書き、走り書き、殴り書き、帳付け、控え書き、報告 遺書、置き文、遺文、記録、 遺言 (ゆいごん/いごん/いげん)、遺稿 動名詞 雑記、記録、記帳、記入、記載、筆記 記憶、銘記、銘肝 動詞 記す、書き留める、書き付ける、書き記す、書き取る、手控える 覚える、覚えておく、 叩 (たた)き込む、刻む 慣用句・諺・四字熟語・未分類 心に留める、耳に留める、気に留める、胸に刻む、頭に叩き込む、肝に銘じる 漢字一字 帳、簿、録、帖 紙、箋 記、書、注、写、著 覚、憶 やまとことば ふみ(文)、たより(便)、ことつて(言傳) しるす(記)、かきつく(書付)、かきとどむ(書留) のちごと(後言) 備考欄 辞書 説明 廣辭林新訂版 (名) 備忘錄。手控。 新訂大言海 (無記載) 角川国語辞典新版 名 備忘録。手びかえ。覚え書き。メモ。(メモ:名 メモランダムの略。) 大英和辭典 〔名〕[一]備忘〔ビバウ〕錄,覺書〔オボエガキ〕.[二]【法】覺書.[三]=memoire.(memoire:〔名〕【外交】覺書.)[四]【商】①賣買通知書.②賣買條件覺書.[五]【海上保險】損害不塡補約欵〔ヤククワン〕.[六]=memorandum of association.(memorandum of association:【いぎりす法】組合定欵.)[七]【いぎりす法】王座裁判所ノ記錄ノ最初ノ條項.[八]【外交】覺書. 略称 メモ 動詞は「メモる」の形で翻訳。 直訳音写語は「帳面」か。 英語の「書き置き」の意は無いようである。英語との意に差異があり、カタカナ語にいう「メモ」と同じように英語で使える語ではない。 また、「memorandum」は現代ではほぼ見ないため死語と思われる。 同義等式 原語単位 memorandum=備忘録 カタカナ語単位 メモランダム=書き付け カタカナ語の類義語 ノート 附箋:M メ 英語
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生きる意味、終わる意味 ◆Ee.E0P6Y2U ……全てが決着する前、二人の間にこんな会話があった。 「――とか使って館までの誘導するって訳だな。こういう仕掛け自体はあたしも経験あるから作れるだろうけど 問題はライダーが警戒して入ってこなかったら、て場合か。この時は離れたところから――っておい、聞いてるのか?」 「ん? ああ」 春紀が対ライダー戦の流れを確認していると、杏子は彼女にしては珍しくぼうっとしていたらしく、目を瞬いた。 「いや聞いてたさ。ただちょっとね――思い出してたんだ」 「思い出してた?」 そう聞き返すと杏子は短く「生前のことさ」と言った。 春紀は眉をぴくりと上げた。生前――それはサーヴァントとしてムーンセルに登録される前のことだ。 「まぁ別に何でもないんだけどね、こうやって顔突き合わせて作戦練るって、あーこんなこと前にやったなって、そう思っただけさ」 そう言って杏子は小さく笑った。 彼女にしては珍しい――過去を匂わせる発言だった。 それを見ながら、なんとなく思った。“顔を突きを合わせた”相手と言うのは、学園で散ったというサーヴァントだったのではないか、と。 「……ふうん、そうか」 そう思ったがしかし――しかし春紀はそれ以上追及しなかった。 きっと彼女は深くは語るまい。その過去がつらいものであれ幸福なものであれ。 そんな過去への向き合い方こそが、ランサーという英霊であることを春紀は知っていた。 ――ではこの自分はどうか。 そんな英霊である彼女に、自分はどう付き合っていくべきか。 杏子と春紀は友人なんてものじゃない。先輩と後輩でもなければ、ましてや師匠でもない。 マスターとサーヴァント、それ以上でもそれ以下でもない、ただそれだけの関係だ。 だから、対等でありたいと思っていた。 共に立つものとして、彼女に敗けないような生き方をしてみたいと――ある種の憧れのような感情も春紀は杏子に抱いていたのだろう。 ――母みたい、なんてことを思うくらいにはね。 それは別に彼女を模倣するということではない。 共に立つに値するあり方を、敗けないくらいの自分自身を、この胸に抱いていたいとそう思っていたのだ。 「で、本当にいいんだな? この戦い方で。 別に敗けるとは思っちゃいないけどさ、後ろからルリを、ぶすり、て方が確実だと思うけどな。 タイミングだって何も今である必要はないよ。共闘関係は利用できるし、もうちょい待つって手もある」 だからこそ、杏子の問いかけに頷いたのだ。 「――今なんだよ。今を逃してまたルリと一緒に戦えば、きっと迷いができる。 これで区切りにするには――自分自身のために戦うには、待ってちゃいけない」 でないとまた迷うだろう。 それを知っていたから、春紀は戦いに臨んだ。 “家族”“子ども”“大人”そして“自分”。 そのどれにも引っ張られ、煮え切らないこの想いを清算するために―― ◇ ――急ぎ過ぎたって、ことかね。 やっぱり急ぐとロクなことがない。 とはいえ逆に遅すぎたのかもしれない、なんてことも思ってるから不思議だ。 春紀は夜空を見上げながら、己に残された時間を静かに過ごしていた。 サーヴァントとの契約を失った時点で消去が始まるということだったが、具体的にどのタイミングでそれが来るのかは分からない。 ランサーが消滅した瞬間に死ぬ――のかと思っていたが、それは思いのほか猶予があった。 死は確かだろう。 何時か必ずそれは来る。 少なくとももう始まっているに違いない。 けれど――まだ春紀は春紀だった。 とはいえやることなどもはや何もない。 消去は決まっているのだから、その辺りに寝転がっていてもよかった。 それでも彼女の足は動いていた。一体全体どこに向かっているんだろう、と自問しながら歩みは止まらない。 それでいて、その足取りに迷いはなかった。 坂道を降り切っても、分かれ道に至っても、黙々と歩いていく。 何故だか分からないが、行くべき道は分かっているのだ。 が、不意に彼女は足を止め手を挙げた。それは何と通りかかったタクシーへと向けてのものだった。 おいおい何をしているんだ、と思いつつも乗り込み、行き先を告げた。 「――――まで」 告げた瞬間、ようやく彼女は自分がどこに向かっているのかに気付いた。 その住所はこの冬木市の区割りでB-9とされる場所にある、安アパートだった。 ああ、そうか。自分は今――帰っているんだ。 自分自身に抱いた疑問が氷解した。 帰って何がある訳ではない。これから死にゆくのに、たどり着けるかどうかも分からないのに、自分は帰ろうとしている。 杏子としばしの間過ごした、あの部屋に。 きっとそれ以外に行くべき場所がなかったからだ。 死にゆく中で、それでも帰りたいと、そう思ったのだろう。 タクシーの運転手はこんな時間に一人乗車する客を不審に思ったようだったが、しかし特に何も言わず引き受けてくれた。 窓の外の風景がゆっくりと動いていく。住宅街を越え、学生街を越え、橋の下までやってくると、春紀は思わずメーターを確認してしまった。 そこに表示された金額に「む」と唸り、唸ったあとにこんな時までお金のことを気にしている自分に気がついて、それが少しおかしかった。 「最近妙な事件多いねぇ。さっきもなんか大学の方で変な事件があったみたいでね。さっき警官の人を乗せたんだよ。 しかもその人の前にまた変な二人組が――」 運転手が色々と教えてくれたが、適当に相槌を打つに留めた。 変な事件。恐らく聖杯戦争絡みのことだろう。しかしもはや自分には関係がない。 関係する権利を喪った、とでもいうべきか。 「…………」 なんとなしに自分の手の甲を確認してみた。 そこには肌に赤く刻まれた令呪が――すぅ、と消えようとしていた。 恐らくこれが完璧に消えた時、自分は消えるのだろう。そう思った。 窓の外は静かだった。 流れゆく街の風景はまだまだ深い闇に沈んでいて、人も、建物も、全てが色あせてみえた。 これからこの中に沈んでいくのだ。 何でもないこの街に、何でもないただの人間として、消えていく。 そう思うも、でも、不思議と心は静かだった。 確かに春紀は敗けた。 もしかしたら別の道があったのかもしれない。 まだ迷っていれば、ルリと手を取る道を選んでいれば、あるいは“子ども”も殺す道を選んでいれば。 そうすればまた別の今があって、別の“自分”がここにはあった筈だ。 でも、だ。 同時にこうも思う。きっと何度やり直したところで、自分はこの道を選んでいただろうと。 非情に徹する訳でも、全てを救うと豪語する訳でもない。 人を殺して生き残って、それを罪だと苦しみつつも手を汚すことも止めない。 “子ども”でも“大人”でもない――この半端な選択の結果を、それでもやり直したいと思わない。 全く変な話だ。 やり直したい。でもできない。 この人生、そんなことの繰り返しだった。金とか、ままならない理不尽さとか、つらいことばっかりあった。 やり直して、全てのしがらみから解放されてしまいたいとも思った。 それでもこの敗北だけは、寒河江春紀が寒河江春紀であるためにも、やり直しちゃいけないことな気がする。 ――死ねないよ。 ――生きているってことは赦されているってことだから。 ――いまここにいることを。 脳裏に過るのは以前の敗北の記憶。 ミョウジョウ学園で晴の命を狙い、そして生き残ってしまった時のこと。 ――赦される、ね。 あの言葉こそ、晴の“自分”だったのだろう。 そう言えるからこそ、そう言って笑えるからこそ、彼女は彼女であった。 それと同じなのかもしれない。春紀にとって、この甘さという奴は。 その言葉を胸の中で反芻していると、窓の向こう側が安っぽいアパートになっていた。 ああそこは――家だ。 財布に入っていた金を運転手に渡し(ギリギリだった)、春紀は家に降り立った。 「――うん?」 するとアパートの前に、見知らぬ顔が経っていた。 子どもだった。 齢は小学生くらいだろうか。小柄な身体に肩まで伸ばした黒髪、澄んだ瞳が街灯に照らされうっすらと浮かび上がっている。 その子どもは春紀を見つけて肩を、びくり、と上げた。 さて誰だろう。 少なくともこのアパートの住人ではない筈だ。 こんな子どもが住んでいた記憶もなければ、遊びに来た覚えもない。 こんな真夜中に訪れるのも妙な話だ。 「……あの」 頭を捻っていると、子どもの方から口を開いた。 彼女は春紀を見上げ、恐る恐る、といったように、 「この食堂の人って、どういう人ですか?」 そう言って彼女が示したのは――アパートの隣、天河食堂だった。 「ここって、アキトさんのこと?」 問いかけると子どもは、こくり、と頷いた。 テンカワアキト。 若くして食堂を持ち、しかし事故に遭いリハビリを余儀なくされた青年。 そんな“自分”を背負わされた、この聖杯戦争のノンプレイヤーキャラクター。その筈だった。 何故そんな彼をこの子どもが調べているのだろう。 疑問に思ったが、しかし子どもの視線は真剣そのもので、無視する気にはなれなかった。 「どんな人か、か……」 予選時代からの付き合いを振り返る。 暗殺者としての寒河江春紀でも、聖杯戦争のマスターとしての寒河江春紀でもない、ただの“少女”として顔を合わせていた青年。 彼を一言で形容するならば、そう…… 「“自分”らしく付き合える人かな。面倒なこと考えず、素のままの“自分”で会える人。 そうだな――兄貴みたいな人だったよ、あたしにとってみれば」 そう言うと子どもは、きょとん、とした顔をした。 どうやらその答えは彼女にとって意外なものだったらしい。 「あの人が、ですか?」 「うん、まぁそういう感じだったかな。あたしの勝手な想いだけどね」 そう答えて、春紀はその子どもを残して去っていった。 この子どもとテンカワアキトの関係がなんなのか、何故ここにいるのか。もしや――とか浮かんだ想いはいくつもあった。 けれど、それはもう自分には関係がないことだ。なくなってしまったことだ。 だからこの辺りで引き上げることにする。 「兄貴――お兄ちゃん?」 背後で子どもがそう呟くのを背中越しに聞きながら、春紀は自分の家に帰った。 お兄ちゃん、か。そう呼べる人がいればよかったのにな。そしたらもう少し楽だった。 子ども――美遊・エーデルフェルトとの邂逅はそれで終った。 テンカワアキトの住居を警察の手が入る前に調べておきたかった彼女が、帰ってきた隣人である春紀と出会い、言葉を交わしたという、ささやかな偶然だった。 【B-9/天河食堂前/二日目 未明】 【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】 [状態]健康、他者に対しての過剰な不信感 [令呪]残り二画 [装備]普段着、カレイドステッキ・マジカルサファイア [道具]バッグ(衣類、非常食一式、クラスカード・セイバー) [所持金] 300万円程(現金少々、残りはクレジットカードで) [思考・状況] 基本行動方針:『方舟の聖杯』を求める。 1.全員で戦う。どれだけ傷つこうともう迷わない。 2.ルヴィア邸、海月原学園、孤児院には行かない。 3.自身が聖杯であるという事実は何としても隠し通す。 4.サファイアが聞いた「サナエ」というアーチャーのマスターに対して…? 5.攻略の糸口が見つけるべく警察よりはやく天河食堂を調べる。 [備考] ※アンデルセン陣営を危険と判断しました。 ※ライダー、バーサーカーのパラメータを確認しました。 ※搦め手を使った戦い方を学習しました。 また少しだけ思考が柔軟になったようです。 ※テンカワ・アキトの本名を把握しました。 ※サファイアを通じて「サナエ」という名のアーチャーのマスターがいると認識しています。 ※アキトの使う転移の名称が「ボソンジャンプ」であると把握しました。 【バーサーカー(黒崎一護)@BLEACH】 [状態] 健康、不機嫌 [装備]斬魄刀 [道具]不明 [所持金]無し [思考・状況] 基本行動方針:美遊を護る 0.美遊を護る。 1.危険な行動を取った美遊への若干の怒りと強い心配。 [備考] ※エミヤの霊圧を認識しました ※ルーラーの提案を拒否したため、令呪による回復を受けていません。 ※魔力消費はサファイアを介した魔力供給で全快しました。 そうして帰ってくると、そこでは何時も通りの部屋が待っていた。 1k四畳半の安物件。ロクな家具もない、狭いのに広々とした部屋。ただ食べて、寝るだけの場所。 朝見たのと全く同じ光景だ――紅い同居人がいなくなっていることを除けば。 ゴミ箱にはチョコビやRockyの空き箱やらコンビニの袋やらが突っ込んであった。 そういや朝コンビニのサンドイッチ食べていたな、なんてことを思い出した。 春紀は、ふぅ、息を吐き、そんな部屋に座り込んだ。 これでいよいよ持って何もやることがなくなった。 “家族”も、聖杯戦争も、何もかもが遠くにいった。 全てのしがらみは消え、あとはもう――死ぬだけだ。 春紀は顔を俯かせ、その髪を、くしゃ、とかき分けた。 電気もつけず、壁にもたれかけ、窓より降り注ぐ月の光を身に受ける。 何時もと同じ夜が、どういう訳かひどく寒々しい。 「……全く、少しは楽になるかと思ったけど」 かつて望んだことだった。 何もかもから解放され、ただただ自由になること。 こんなつらく大変な、生きる、てことから抜け出せるのは、案外魅力的なことなんじゃないかって、そう思っていた。 「寂しい、よ」 けれど、春紀の口から出たのは、そんな言葉だった。 「……はは」 “家族”の居ない部屋の中で、春紀はただただ寂しさに震えていた。 杏子を母みたいとか言ったり、アキトを兄のようとか答えたり、結局――甘えたかったんだろうな。 その事実を彼女は寂しさと共に噛みしめていた。 誰もいない家がこんなにも静かだなんて知らなかった。胸にぽっかりとできた空白がつらかった。 言葉にならない声が漏れ、頬に何か温かいものがつたった。 以前“赦された”時のそれとはまた違う熱がそこにはあった。 ……それは彼女が今まで流せなかった涙だった。 “少女”でありながら“大人”でなくてはならなかった彼女が、ようやく見せた“子ども”としての涙。 その涙は救いでもなければ、ましてや赦しでもないだろう。 それでも消去される寸前まで彼女は一人、泣いていた。 【寒河江春紀@悪魔のリドル 消去】 【ランサー(佐倉杏子)@魔法少女まどか☆マギカ 消滅】 【全体の備考】 サーヴァントを喪ったマスターについて サーヴァントとの契約を失った時点で消去がはじまりますが、完全に消去されるまでに一,二時間程度の猶予が存在します。 また消去されたマスターがどんな状態で発見されるかは不明です。 BACK NEXT 154-a たぶん自分自身のために 投下順 155 絆‐Speckled Band‐ 154-a たぶん自分自身のために 時系列順 155 絆‐Speckled Band‐ BACK 登場キャラ:追跡表 NEXT 154-a たぶん自分自身のために 寒河江春紀&ランサー(佐倉杏子) END 128 犯行(反攻) 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー(黒崎一護) 166 『ただいま』はまだ言えない
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◇ ◇ デパート十四階にて、なかなかにシュールな光景が繰り広げられていた。 ぐるぐると渦を巻いた瞳が特徴的な学生とおぼしき少年が、一匹の狼と会話をしている。 ぐるぐる目の少年の名前は分からない。名簿にも「四字熟語」としての名前しか載っていないだから、分かる訳がない、というものである。 彼は紆余曲折。 つい先刻、熱帯魚コーナーで小学生と交戦し、危うく殺されかけていた。 もっともあそこまで極端な状況でなかったなら苦戦することは無かっただろうが、偶然にも相手のとってきた手段が彼のとある能力で切り抜けられないものだった。 まさに間一髪のところで、隣にいる一匹の狼に助けられ、こうして何とか命を保てている。 狼の名前は香坂幹葦というらしく、警察官をしているとのことだった。 狼男だのの下りは正直ついていけないものはあったが、目の前でこうして狼の姿をしているところを見れば、自ずと彼の語っていることが嘘でないことくらいは見抜けるだろう。 「本当に怪我は無いんだな、紆余くん」 「はい。……ただ、服は濡れてるわ塩臭いわ、散々ですけどね」 先程相間見えた小学生の使ってきた、なんというか子供らしさの欠片もない手段。 電流をより強くするために塩水を思い切りぶっかけられたのだったが、それがここにきて予想外の形で紆余曲折にダメージをちょっと別のベクトルで与えていた。 何といっても服が濡れていて体温が奪われ、結構寒い。 更に時折鼻を擽る塩の香りが非常に不快だったりと、ちまちまと嫌な効果を産み出してくるのだ。 出来ればこのデパートで服をどうにか着替えて、気分新たに一歩を踏み出したいところだった。 ……着替えている最中は無防備を晒してしまうことになるが。 「香坂さんは体調すっかり良さそうですけど、貴方の方こそ大丈夫なんですか?」 香坂に助けられた紆余曲折だが、その時の香坂といえば足取りはふらふらで、まさに身体に芯が通っていないというべき有り様だった。 本人から話を聞くに、他の参加者に妙な薬を打たれてしばらく変な気分に襲われて辛かったらしい。 このまま悪化すると不味いんじゃないか、と心配もしたが、数分前からめきめきと回復の方向に向かっているのか、次第に口数も増えてきて身体の倦怠感も取れたようだ。 獣性活性薬。 紆余曲折の預り知らぬところでの話だが、香坂は自分が助けた筈の相手に裏切られている。 その時にこの薬を打ち込まれ、強制的に狼の姿でいることを余儀なくされた。 本来ならば催淫状態はもう少し長く持続するのだが、実は香坂幹葦は元々特殊な人種なのだ。 狼の姿に変化することも度々あった彼には強制獣化はともかくとして、催淫の効果は短時間だった。 その体質のせいでしばらく重度の体調不良に襲われこそしたが、それももう無い。 残念ながら身体能力の方も劇的な変化は望めないようではあるものの、それでも獣としての運動能力は以前より僅かであっても増している。 皮肉にもこの薬は、香坂に良い効果しかもたらさなかったようだった。 良いことをしたいと願う彼にとって獣の力は心強い味方となるーー現に、こうして一人助けられた。 普段の運動神経のままだったなら、愛崎一美を止める前に電流は流されていただろう。 (やれるんだ……! こんな僕でも、良いことが出来る……!!) 悪いことをしたいと思っていた頃からずっと空回りしてきただけあって、漸く自分のやりたいことが出来るようになった喜びは、相当以上に大きいものだった。 ブルース・ヤスパースを撃ってしまったのは大失敗だったが、まだ取り返せない訳じゃない。 マイナスに傾いた針なら、それよりずっと大きなプラスで振り切ってやればいいのだ。 どうしてこんなに簡単なことが分からなかったのだろうかと、香坂はかつての自分を恥じる。 彼は自分の思いが真実でないことさえ知らないまま、人助けの喜びに陶酔していた。 その喜びさえ、香坂幹葦の本来の感情ではないことに、彼は気付けない。 現在の自分がとある四字熟語に束縛され、反転の力によって作られただけの偽物だと、疑いもしない。 どうして悪いことをしたいと願っていた筈の自らがこうして「心機一転」しているのか、ずさんとさえいえる改竄の不自然さなど気にも留めずに、真実を知らないまま喜ぶばかり。 極上の道化という他ない醜態を晒しているにも関わらず、それを咎めてくれる者はここにはない。 紆余曲折は香坂を自分を助けてくれたとして信用している。 まさかこれは偽物の心で、本性がその正反対であるなどとは思うまい。 「香坂さん、そういえばひとつ、聞いてほしいことがあります」 そんなことは露知らずの紆余曲折は、ついさっき得たばかりの情報を香坂に打ち明けることにした。 愛崎一美が漏らした「白崎」という名前――悪人・白崎ミュートン。 無垢な小学生をマインドコントロールで悪人に仕立てあげた要注意人物として、ただでさえ記憶に残りやすい変わった名前は紆余曲折の脳に深く刻み込まれていた。 ハーフなのかはたまた偽名なのか、情報量はとにかく少ない。 紆余曲折のように何かしら不可思議な力を持っている危険性も考えなければならないだろう。 自身のルール能力については、既に香坂に打ち明けてある。 四字熟語の殺し合いなんて信じられないという顔をされたが、こうしてバトルロワイアルが行われている以上信じてもらうことは出来た。 一応念の為、どうして愛崎一美を切り抜けられなかったかについても説明はした。 彼にすればらしくない無用心さだったが、人間は恩人と認識した者には心を許す生物だ。 無意識の内に紆余曲折は、香坂幹葦に大分心を開いていた。 「白崎ミュートン、愛崎ちゃん――さっきの女の子をあんな風にした張本人らしいんですけど、この名前に聞き覚えはありますか?」 「……そんな名前、一度聞いたら忘れないだろうからな。でも危険な奴だってのは分かったよ」 「何か力を持ってるかもしれません……用心しておくに越したことはありませんね」 「油断大敵だ」 良いことをすることを望む香坂にとって、そんな悪人は許せなかった。 悪いことをして楽しむなんて――過去の彼が望んでいたことだが――、香坂には到底理解できない。 それ以上に、無垢な子供をあんな風に変貌させてしまう外道さに、香坂は背筋が寒くなった。 この世にはそういう、常軌を逸した人間が理由もなく生まれることがある。 歴史に名を残す犯罪者のことにも警察官という立場上精通している彼も知っていることだが、こんな狭い箱庭同然の空間に存在していると考えると不安になるのも無理はない。 身体は強くなっても、香坂幹葦はメンタル面で少々難があるのだから。 (駄目だ駄目だ、恐れるな……!) 折角強さを手に入れたというのに、また臆病に戻りかけた心に喝を飛ばす。 偽りの強さであろうと、今の彼にはそんなこと最早眼中になかった。 とにかくこのまま強いままで、もっと良いことをしたい――それだけしか残ってはいない。 姿形はどうあれ、その思考は既に自己満足のスパイラルに陥りつつあった。 助けられる側より、自分が助けるという行為自体に満足してしまっている。 そんな彼の幻想を粉々に打ち砕くように、紆余曲折のものではない別の男の声が、鼓膜を叩いた。 「よぅ、そこのお二人さん。ちょっといいか」 突然の声に、香坂と紆余曲折は同時に声の方向を向く。 そこに居たのは一人の精悍な顔立ちをした男で、その手には銃がしっかりと収まっている。 香坂幹葦はその顔に見覚えがあったが、あちらは知らないようだ。 まだ悪人になることを目指していた時に、殺そうとしてしまった相手。 狼の姿だから気付かれてはいないが、香坂は急に申し訳なさを感じた。 男が銃の引き金を引く様子はなく、見た限り危害を加えようとしているようにも見えない。 「そう警戒しないでくれ―――はっきり言って俺も滅茶苦茶ビビってんだ。何せあんなもんを拾っちまったんだからな……あんた達に話し掛けたのも、この不安を紛らわせたかったんだ」 そう言う男の声は本当に震えていて、何かに凄く恐怖しているように見えた。 この距離で銃撃されればひとたまりもないだろうが、引き金に指をかける様子はない。 香坂は考える。 この状況、一体どうすることこそが『良いこと』なのか。 あの男を不審と糾弾し、悪者として追い払うことか? いや、違う。それは良いことなんかじゃなく、ただの自分勝手じゃないか。 怯える人がいるなら、守ることこそが良いことだ。 極端すぎる思考に任せて、香坂は結局出会ったばかりの男を信用することにした。 「分かりました。だからまず、その銃をしまってくれますか?」 「ありがとう、信用してくれて嬉しいぜ―――ほら、これでいいか?」 銃をディパックにしまうと、男は両手を空に掲げて攻撃の意思が無いことを示した。 本来ならば用心を重ねて、衣服の中に隠し持っている可能性も疑うべきなのだろうが、大の男が何かとてつもない恐怖に怯えているのだ、そこに追い討ちをかけるような真似は憚られた。 紆余曲折の方をちらりと見やると、その表情は芳しくない。 これで本当にいいのだろうか、と何かを案じているようにも見える。 きっと、初対面で銃を持っていた男を簡単に信用することを不安に思っているのだろう。 しかし彼は武器を装備していないし、まして香坂は獣性活性薬の効果で強化されているのだ。 銃を出すまでのラグがあれば、男を組伏せてやれるくらいの自信はあった。 「俺は大崎年光。殺し合いに乗っちゃいないが、いい年してビビっちまってる。ったく、情けねえぜ」 「僕は香坂幹葦で、こっちが紆余曲折くんです。……あの、何があったか教えてくれませんか?」 その言葉を待っていた、と言わんばかりの勢いで、男――大崎年光はディパックに手を突っ込んだ。 銃を取り出すのではないかと二人は身構えたが、銃ならまだ良かったかもしれない。 大崎が取り出した「それ」を見て、二人は絶句を禁じ得なかった。 何と言えばいいのか、上手い言葉が見つかってくれなかった。 大崎の手が掴んでいるのは、ばっさりと切断された人間の右腕。 青ざめた顔で、震える手でそれを掴む大崎に、恐る恐る香坂は聞く。 「そ……それ、どうしたんですか……!?」 「分からねえ。分からねえんだ……! ディパックを開けたらこんなもんが入ってた…… 支給品ってことなんだろうが、最初の頃はまだ血が滴ってて、それでこの様だ」 確かに、大崎の身体にはかなりの量の血が付着していた。 このディパックの構造もなかなかミステリーなのだから、そういう支給品もあるのかもしれない。 確かにこんなものをいきなり引いたりしたら気が滅入るのも納得だ。 まるで死の宣告を食らったような気分になること請け合いである。 捨てるのも憚られるし、だからといってこんな物を持っていると知られれば九割五分誤解を受ける。 外れ支給品にも程があるだろう、と香坂は思わず溜め息を漏らした。 「なあ、ひとつ頼みがあるんだけどよ……あんた警察官だろ? 俺のこれ、預かってくんねえか?」 これ、とは勿論この誰のものかも分からない右腕のことである。 正直なところ香坂だって、不謹慎てはあるがこんな物を好き好んで持っていたいとはとても思えない。 何の意味があるのかは知らないが、とにかくこれがディパックに入っているだけで何だか気分が重くなりそうだ。しかし、無下に断るなんてあまりにも酷いとも彼は思った。 良いこと悪いことの前に、自分は警察官なのだ。 こういった物の管理は警察官の仕事だろうし、それにこれは誰が見たって「良いこと」の筈。 自分が嫌な思いをするだけで大崎年光という一人の人間が安心できるなら本望ではないか。 しかも自分は一度、この人を襲っているのだから。 早くも二つ目の良いことだ――彼はしばし考えるような素振りを見せていたが、やがて承諾した。 憑き物が落ちたような笑顔で、大崎はありがとう、と言った。 腕を渡すために、大崎が歩いてくる。 切断面付近を持つなんて、余程早くこれを手放したいんだな…と香坂は同情めいた感情を懐く。 しかし、そうではない。 彼も紆余曲折も、この切り取られた腕が何を意味しているのか、理解していないのだ。 大崎が差し出した右腕が、開かれた香坂のディパックを素通りして、彼の胸に触れた。 その時にはもう、何もかもが遅かった。 間違いは反転され、正しい「香坂幹葦」に戻る。 だがそれを待たずに、生じた隙を突いて大崎年光はディパックから勢いよく自らの得物を引き出す! 「……バカが。こんなもんが支給されるわけねえだろ」 「――――」 自分が何をしていたのか、どうしてそんなことをしていたのかを思い出し呆然となっている香坂の頭に、大崎は微塵の躊躇いも見せずに銃口を向けた。 この距離で外す訳がない。 そんな確信と共に彼は引き金を引いたが、狼の身体能力でギリギリかわされてしまう。 次の瞬間、四字熟語、紆余曲折が香坂を庇うようにその前に立ちはだかった。 無論、それがどうしたという話だ。 獲物がのこのこ飛び出てきてくれたなら、丁重に撃ち殺してやるだけのこと。 引き金を引くと同時に放たれる弾丸。 が、大崎のミスは紆余曲折という「四字熟語」の意味を考えなかったことだ。 「《死に急がば回れ》――――!!」 「おうっ!?」 真っ直ぐに飛来した弾丸が、紆余曲折の言葉を皮切りに《迂回》した。 攻撃を四秒間迂回させるルール能力。 如何に銃弾といえど四秒もの迂回時間があれば、香坂ごと飛び込むような形で逃げることは容易だ。 直ぐにポケットに仕込んでいた銃を取り出し、大崎に向けて躊躇することなく引き金を引く。 体勢が体勢なだけに髪の毛を掠める程度に留まり、紆余曲折は歯噛みする。 だがやれないことはない。 また殺すのは嫌だったが、このままでは埒が明かないのだ。 大崎年光を射殺する覚悟を決め、再び引き金に指をかけた瞬間、本能的に紆余曲折は身を反らした。 瞬間押し寄せる焼けるような痛み。 自分の右肩が裂け、傷は浅いとはいえ熱い液体が染み出すのが分かった。 「こう、さかさん」 「ハハハハハ……何してんだよ僕は……悪いことをしたい、それが僕だろ……!」 明らかな豹変を見せた香坂。 その爪には紆余曲折の血が付着しており、あの攻撃が彼の放ったものであることの動かぬ証拠だった。 それを見て紆余曲折は確信する。 あの「右腕」には、触れた者の心に干渉する力があるのだ。 もっと言うならあれは紆余曲折と同じ四字熟語の腕なのだが、それだけ気付ければ十分。 そしてそれは、大崎年光が最初から自分達を崩壊させる目的だったことの裏付けになる! (しかし……これは不味い……!) 何しろ二対一。 片方は狼で片方は銃弾だ、どちらも油断してかかっていい相手ではない。 しかも紆余曲折のルール能力には、不意討ちに咄嗟に反応できないという欠陥があるのだ。 彼が攻撃と認識していなければ迂回出来ない故、彼が気付いてすらいないものには使えない。 にわかに不味い状況だ。 そこで紆余曲折は香坂への罪悪感を確かに感じながらも、ある手段を使うことを即座に決断した。 「《死に急がば回れ》!」 一発の銃弾なら当たらない可能性だって十分ある。 ここで気を払うべき相手はむしろ意志を持って追いかけてくる獣、香坂幹葦だ。 香坂の攻撃を迂回させつつ、商品棚の間を器用に縫って二人から距離を取っていく。 銃弾一発ではもう仕留められないだろう。 後はエレベーターに乗り込んでしまえば、このデパートを出ることで窮地を脱することが出来る。 自分を助けてくれた相手を見捨てたことに呵責を覚えつつも、紆余曲折は静かに開いたエレベーターのドアの中に入り込み、極めて冷静な態度で一階のボタンを押した。 こうして、四字熟語・紆余曲折は一足先に悪人揃いの戦場から抜け出したのである。 【C-2/デパート1階・エレベーター前/一日目/午前】 【紆余曲折@四字熟語バトルロワイアル】 [状態]:疲労(小)、ずぶぬれ、右肩に裂傷 [服装]:特筆事項無し [装備]:コルトM1908ベストポケット(5/6) [道具]:基本支給品一式、コルトM1908ベストポケット弾倉(1)、お徳用ストロー [思考] 基本:生き残る。進んで殺し合いをするつもりは無い。 1:デパートから出る。 2:香坂さん………… 3:タクマさんを捜す。 4:刀の男(野村和也)には要注意。 [備考] ※四字熟語バトルロワイアル18話「取捨選択」直後からの参戦です。 ※ルール能力に規制はありません。 ※野村和也の外見のみ記憶しました。 ◆ ◆ 大崎年光は、香坂幹葦の頭に銃口を突き付けていた。 表情は猛禽類を思わせる獰猛な笑顔で、自分の行おうとしている行為に微塵の忌避感も懐いていない。 薬の効果によって身体能力が向上したとはいえ、銃弾で頭部を撃たれてはどうしようもないのだ。 鋭い爪や牙も、攻撃の素振りを見せた瞬間に発砲されては形無しだ。 二度目の反転によって元に戻った香坂は、いきなりいわゆる詰みの状態に入っていた。 指先一つでいとも容易く命を奪われる状況に、経験が伴っていない香坂は恐怖する。 「紆余曲折くんは逃がしちまったけどな、お前なら殺せそうだ」 「なん、で……お前が!」 「ああ――そういや俺を襲ってくれた香坂さんだったな」 挑発とも取れる笑いを溢して、いよいよ大崎はシグプロSP2340の引き金にその指をやる。 二度の反転を経て、それぞれ真逆の人間性を振り撒いてきた香坂。 最期まで、「心機一転」の四字熟語に縛られたバトルロワイアルだったと言えよう。 参加者の中にはもっと高い身体能力を持つ輩はいるにしろ、彼も人間よりはそこそこ強い筈だ。 なのにどうしてこうも簡単に死へのカウントダウンを許しているのか。 それはひとえに、紆余曲折のルール能力のせいだった。 四秒間の迂回に呆然となっているところを、容赦なく大崎は叩いた。 二兎を追うもの一兎をも得ずだ――彼は紆余曲折を諦め、間近の香坂幹葦を狙うことにしたのである。 紆余曲折が工夫して逃げた意味は実際のところほぼ皆無に等しい。 背後から蹴りを叩き込んで床に倒し、そのまま銃口を突き付ける。 何ら危険を冒すこともなく、拍子抜けするほどあっさりとチェックメイトの構図は出来上がった。 「嫌だ……僕は…悪人に、なるんだ……ッ!」 「そいつぁ無理な話だろ。言っとくけどよ、お前が何かする瞬間に俺はお前の頭を吹き飛ばせるんだ」 香坂とて、どう足掻いても自分にこの詰みを打開出来る手段が無いのは分かっている。 しかし足掻かずにはいられない、足掻かなければ自分はここで死んでしまうのだ。 いっそ相討ち覚悟で大崎の喉笛に食らいついてみるか――そんなことさえ考えた時だった。 大崎は引き金に指をかけたままで、突然その顔を不敵な笑みの形に歪めた。 先程までの獰猛さは少し陰を潜め、何かを企んでいるようなそれに見える。 「良いことを思い付いた……条件次第では助けてやるよ」 突然差し伸べられた救いの手に、香坂は思わずその両目を見開いた。 あれほど偉そうに語った大崎年光がどうして、正反対も良いところの変化を遂げているのか。 どうして自分も、一度正反対の人間性に変わり、そしてまた戻ったのか。 あまりにも分からないことが多すぎてパニックになりつつある香坂だったが、指先一つに自身の命運が委ねられているこの窮地を脱する可能性が出たことで、混線していた思考がクリアになる。 そうだ、細かいことなどどうでもいい。 反転のように人間性が正反対になっていた不思議も何もかも、この際気にしなければいい。 ――ただ、どうにかしてこの場を潜り抜けることだけを考えろ。 大崎年光の印象が最初の時と随分異なっていることもあり、一体どんな条件が待っているのかなど想像もつかなかったが、多少の無理をしてでも条件に乗る。 いざとなれば寝首を掻くチャンスはきっと巡ってくるのだから、それまでの辛抱ではないか。 無言で肯定の意志を示すと、大崎は満足げに笑った。 「このデパートで、参加者を殺してこい」 ……一体どんな無茶苦茶を要求されるのかと身構えていたのもあり、少しばかり拍子抜けだった。 このデパートは階数が多いだけあってやたらに広い。 探せばもっと参加者を見つけられるし、今の香坂なら苦もなく殺人をこなせるだろう。 だが、逆に言えば契約を反故にして逃げてしまっても発覚の可能性は低いということでもある。 それどころか、もう少し状態を整えて臨めば大崎だって敵ではない。 そんな安堵の感情を必死に隠し通して、香坂は分かった、と短く返答した。 長い言葉を話せば、うっかりボロを出してしまいそうだった。 が、美味しい話には必ず裏があるものだ。 大崎は香坂の返答を聞いた後に、ひとつ付け足す。 「『まさか逃げるようなことはないと思う』が―――やる気なら止めておけよ」 まるで香坂の心中を見透かすように言うと、大崎は自らのディパックから何やら折り畳みの機械めいたものを取り出した。ノートパソコンのように見える。 しかしどうして今こんな物を出したのか。その答えはすぐに彼自身の口から語られた。 「こいつは「首輪探知機」っていうらしくてな? そのエリア内の参加者達の首輪を表示する。 流石にどの首輪が誰のものかとかは分からねえが、死んだ奴の首輪には×がつくんだ」 嘘をつけ、と叫びたかった。 どこから見ても普通のノートパソコンで、それが本当に首輪探知機であるかは分からない。 証拠も無いのに信じろというのは無理な話だが、もし本当なら逃げられないことになる。 「ま、信じるも信じねえもお前次第だけどよ――もし約束を破ったなら、どうなるか分かるよな? このデパートにだって放送室くらいはあんだろ。そこからお前の名前を放送する。 危険人物だ、絶対に近付かない方がいいってな。……ハハ」 信じるも信じないも、とはいうものの、実は大崎の言っていることは全て真っ赤な嘘である。 香坂が疑念を懐いた通りに、これは普通のノートパソコン。 デパートの家電売り場からちょろまかした一品で、ネットにも繋げない今では無価値な代物だ。 だがしかし、追い詰められた人間というものはこんな下手な嘘にも騙される。 目の前に死の危機があって、香坂の精神は彼自身も気付かない内に大分磨耗していた。 それに加えて彼からすれば首輪探知機の真偽はどちらだか分からない、シュレディンガーの猫箱状態。 嘘だと断じてしまうのは簡単でも、その時に生じるリスクは計り知れないものになるだろう。 デパートの中にはまだ参加者が居るだろう、と認めたのは香坂幹葦自身である。 その中で悪評を振り撒かれ、香坂幹葦が悪人であると情報が拡散したなら。 対主催もマーダーも問わず、すべての参加者に信用されないことが決まってしまうのだ。 必死に真偽を見極めんとする時点で道化だというのに、香坂は万が一の可能性を捨て切れない。 その様子を見た大崎は、心の中で思うのだった。 (……ま、どっちにしろ次に会ったら殺させて貰うんだけどな) 最初から条件も何も成立してはいない。 香坂は大崎が約束を守ることを前提としているようだが、彼はそもそもその前提さえ守る気は無かった。 殺すことが正義なのだから、殺さないことは極端に言ってしまえば悪だ。 故にここは香坂幹葦を利用し、下手なボロを出す前に処分するのが得策だと彼は考えていた。 自分の本性を知った相手なんて、生かしていたところで良いことの方が少ないのだから。 「分かった……言う通りにする。殺したらその、探知機で分かるんだよな?」 「そうだ。一人でも殺せたら後は好きにしな」 その言葉に安堵した様子を見せる香坂だが、彼はこの約束の穴を見落としている。 条件を達成したとしてもそもそもそれを確認する手段は大崎には無いのだ。 放送を流され悪評を振り撒かれることを恐れた彼は、大崎を無意識に信用し過ぎていた。 すべてはたったひとつの嘘を見抜けなかった――それだけの失敗が、彼を負の連鎖へと落とし込む。 しかし、この時は両者どちらも気付いてすらいなかった。 こうしている間に、この建物の内部でとんでもない巨悪が完成していることに。 正確に言えば、悪意の塊と言うべき同盟が、悪意の教義を持つ教団を産み出そうとしていることに。 気付かないまま香坂は参加者を捜す為に駆け出す。 同じく気付かないまま大崎は下階に降り、彼もまた参加者の抹殺に乗り出す。 このデパートは、今や狂った(サイコ)ロジカルに支配されていた。 ◇ ◇ カインツ・アルフォードは苦戦していた。 そもそも急性アルコール中毒の治療とは、集中治療室でなくてはほぼ出来ることがない難しいものだ。 しかしここはデパートの店内。 ちゃんとした設備さえあればカインツでも処置は可能だったが、こんな場所では厳しいものがある。 代用品となる物を探したいのは山々であっても、このデパートには先の厄介な連中がまだ留まっている可能性がある……迂闊に出歩けば、カインツまで正人の二の舞になりかねない。 だからと言って彼を一人にしておく訳にもいかない、状況は八方塞がりだった。 唯一幸いだったのは症状が死に至るほど深刻ではなく、ある程度の余裕を持って処置出来ることか。 とはいえ病院まで移動するとなれば万が一の危険性は非常に高いーー絶望的なことには変わらない。 「どうすればいいんだ……くそっ、分からない!」 若年者ながらも医者としてそれなりの経験を積んでいるカインツだが、こんな状況に陥ったことなどかつてない。アルコールを操る能力者などに出会った経験などないからだ。 しかもこれでも手加減されていたのだろう。 あの男がその気になっていれば、今頃古川正人は既に手遅れになっている筈である。 カインツ・アルフォードはバトルロワイアルの恐ろしさを今更になって実感していた。 難しい手術や患者は数あれど、本来あり得ない状況で起きる病ほど恐ろしいものはない。 心臓発作や脳卒中が恐ろしい病とされているのだって、いつ襲ってくるか分からない病魔だからだ。 それも相手は急性アルコール中毒。 これなら銃弾で撃ってくれていた方がまだやりようはあった。 こうして何も出来ずにいる間にも、古川正人の命のタイムリミットは刻一刻と迫りつつある。 騒ぎ立てる焦燥感に苛立ちすら覚えながら、カインツは店内に備えてある壁時計に目をやった。 ……もう結構な時間が経過している。 正人の症状の進行が極めて遅い理由は先も言ったように、相手に手加減されていたこと。 そして医者であるカインツが迅速かつ的確な処置を施したこと。 最後に、結局は古川正人という人間が幸運だったということだ。 正直な話ここまで進行が遅いのは珍しい、もう手遅れになっている例だって数多くあるのに。 それでも悠長に構えていられる筈はない、時間制限は確かに存在しているのだ。 カウントダウンは緩やかであろうとも既に始まっている。 カインツは焦る自らを深呼吸で鎮めて、頭の中の知識に検索をかけた。 急性アルコール中毒についてを、もう一度確認しておこうと思ったからだ。 何事も基本が一番大切――意外なところにヒントが隠れているかもしれない。 (意識を喪失しているところからすると昏睡期か……症状が緩和する例もあるけど) 昏睡期――血中アルコール濃度三十パーセント以上。 この段階から本格的に命の危険が出てくるものだが、稀に持ち直す者も存在する。 とはいえ結局治療を施さなくては危険ではあるものの、意識を回復したなら猶予があるということだ。 酒の強い弱いに関しては色々な議論が為されているが、案外馬鹿には出来ない。 呼吸は安定しているし、嘔吐する様子もないところを見るにまだ時間はあるか。 吐血する場合もあるこの中毒で、やはり彼は幸いにも軽い部類のようだった。 カインツはそこで一つ決意した。 ……そう。ここに居たところで時間の浪費にしかならない。 患者の容態は安定していてもいつ急変するか分からない以上、悠長にやっている暇はない。 ならば――― 「……っ、行くしかないのか……!」 賭けるしかない。 医者が患者の命運を天に委ねるなど、本来ならあってはならない暴挙である。 しかしカインツは今、心の底から天に祈る。 何とかその場所に辿り着くまで正人を死なせないでくれと、心から祈りを捧げる。 カインツ・アルフォードは決意した。 やはり病院を目指し、集中治療室でちゃんとした処置を施す以外に術はない。 確かに、ここから病院までの距離は地図を見る限り決して近いとは言い難いし、到着するまで正人のタイムリミットがもってくれるかも微妙なところではある。 手遅れになってしまう可能性だってある―――最悪、一人の命を喪ってしまうことも重々承知だ。 「けど、ここに居ても何も変わらない、変えられない」 残念だが、この場所で出来ることはもう全てやった。 ここに留まっていたところで古川正人を救えるかと言われたら、答えは断じて否である。 やがてタイムリミットは訪れ、正人は死ぬ。 奇跡なんてものが起こる確率は限りなく零だ。 が、病院を目指したところで彼を救える確率はかなり低いだろう。 しかし、カインツ・アルフォードは医者である。 善の塊とさえ称される、真っ直ぐな医者である。 「一パーセントと零パーセントなら……僕は賭けてやる」 救えない選択と救えない「だろう」選択とでは意味が異なる。 絶対に救えないならまだしも、ほんの僅かでも救える望みがあるならば、医者として見過ごせない。 ただ一人の患者を救うために命を懸ける、それが医者という聖職だ。 責任は全て自分が取る。だから、この少年を救うためのギャンブルに出ようと彼は決めた。 「そうと決まれば、まずはこのデパートを出るところからだな……」 生憎ここはなかなかの上階。 一階まで降りるにはエレベーターを使うのが得策だろうことは彼にも分かる。 しかし、万一危険な人物とそんな狭い空間で乗り合わせたらそれこそ逃げ場がない。 アルコール使いの男なんかにまた出会いでもしたら、今度はカインツもやられてしまうだろう。 正人を救うことはそうなってしまえば完全に不可能になる。 そんなことはあってはならない。 ……とすれば階段を使って降りなければならないのだが、正人に気を遣うのがまず第一だ。 吐瀉物を詰まらせて窒息死することは決して珍しくないし、急性アルコール中毒なら尚更危惧すべき。 背中に正人を背負い、周囲への警戒と正人への配慮、二つに気を付けて歩き出す。 さすがに重量はそこそこあったが、歩けないまでのそれではない。十分耐えられるレベルである。 交戦なんかに巻き込まれたらたまったものではないので、なるだけ足音も潜める。 忍者か暗殺者のような足取りで歩く自分に、思わずカインツは苦笑を漏らした。 その聞こえるか聞こえないかくらいの笑い声の後に、男の小さな声がした。 それは紛れもなくカインツの背中から発せられたもので、古川正人のものだ。 彼が意識を取り戻したことに驚くカインツだったが、患者にいらぬ心配をさせないのも医者の役目。 何事もなかったかのような口振りで、カインツは背中の正人に話し掛けた。 「調子はどうですか、正人くん」 「カインツさん……? あれ、俺……確か……」 「あまり喋らない方がいいですよ。これから病院に向かうところですからね」 正人の声は一見平常だが、実際は凄まじい体調不良に襲われている筈だ。 極度の泥酔状態にプラスして中毒症状、これで元気でいられる訳がない。 医者のカインツから見ても不味い状況であることは悟らせず、あたかも何でもないことのように話す。 医者としてこの程度のことも出来ないようなら医者失格というものである。 正人は自分の身に何があったのかをうっすらと思い出しているようだ―――普通ならば意識混濁に軽度の記憶障害が現れてもおかしくはないのだが、ここまで自分を維持できているのはひとえに古川正人の強さ故のことだった。 正人の声の調子にも気を配り、嘔吐などの兆候が無いかを話ながらも細かく観察していく。 「それにしても、訳の分からない奴でしたね」 何気なく言いながらも、カインツは少し前に出会った三人の「悪」のことを回想していた。 整った顔立ちをした青年に、サラリーマン風の男。そして黒髪の小さな女の子。 何の共通点もないような三人だったが、各個が見過ごせないまでの邪悪だったことは確かだ。 ほんの少しだけの問答で、現に正人は心を揺るがされかけてしまった。 彼にも何かしらの事情があるようだしそこに付け込んだのだろうが、それでも恐ろしい連中だった。 口先だけの雑魚ではなくちゃんと戦う術も持ち合わせていて、最悪と言う他ない。 出来れば二度とお目にかかりたくないものだ、とカインツは心中で弱気に呟いた。 「……悪いな、カインツさん。俺が油断してなかったら、こんなことには……」 「カインツで良いですよ。……契約も結んだことですし、気を遣う必要は全くありません」 "それに――、これが僕の仕事ですから"。 正人にはどうしてか聞かれたくなかった。 そんな決め台詞を他人にぽんぽん吐くのは何ともいえず、気恥ずかしいものがある。 善の塊と称されるカインツは、もしかすると相手が悪人でも情を見せるかもしれない。 さっきのような快楽で動く輩は別として、何かの為に戦うような相手だったら、有り得る話だ。 だけど、それでいいのだとカインツは思う。 むしろ誰も助けられないような人間じゃあ、医者を名乗るにはあまりに役不足ってもの。 医者にとっては「甘さ」こそが要求される。 「……カインツ。悪いな……回復したら、お前に俺の話をしようと思ったんだけど、まだ無理だ」 「無理は禁物ですよ。後でいくらでも聞いてあげましょう」 古川正人の抱える事情は、カインツの予想しているより遥かに重い。 バトルロワイアルに参加させられ、最愛の恋人を眼前で無惨に殺された。 助けられなかった悔しさと情けなさ、何より不甲斐ない自分への怒りが渦巻いている。 誰かに話さなければやってられないような、自己嫌悪の渦に囚われていた。 それを何となく察したカインツだったが、当然断る理由などない。 患者の精神管理も医者の大切な仕事で、メンタルケアを怠るなど言語道断。 どんな事情だろうと聞き、理解してやることがカインツ・アルフォードの使命。 ……契約に含まれている、医者としての力を貸すという条件を守らなければならない。 「っ、誰か来るぞカインツ」 全く気付かなかった。 普通なら気付かないだろうが、正人は普通以上の実力者である。 明らかな敵意を含んだ気配を感知することは決して不可能な所業ではなかった。 (どうする……? 正人くんを背負ったまま走って逃げる訳にはいかない……!) 絶対安静で容態がいつ急変してもおかしくない病人を背負って走るなど、非常識にも程がある。 こんなタイミングで危険人物とエンカウントする自分の運命をカインツは呪った。 正人を守りながら戦えるかといえば答えはノーだ、いくら何でもそんな真似は彼には荷が重い。 だが幸いにも件の危険人物の姿は見えていない――ならば、やることは一つだ。 少々荒々しい動きで近くの試着室のドアを開け、正人を寝かせる。 ここは子供服売り場なのだが、体勢に拘らなければ正人を休ませるくらいは可能なスペースがある。 「正人くん、いいですか。吐きたくなったら吐いても構いません。 でもなるべくゆっくりと、喉に詰まらないくらいの速度で吐いてくださいね」 「な……カインツ! お前まさか」 「患者に戦わせる医者が何処に居るというんですか?」 カインツ・アルフォードの選択は迅速にして的確だった。 最優先する目的は古川正人に危害が及ばないこと。 それを達成するにはまず、この試着室に決して近寄らせないことが大切である。 こういったことに卓越している訳ではないが、やらなければならない時が来たと思えばいい。 不審者ひとりを撃退するだけだ。重く捉える必要はない――と、カインツは不安を振り払う。 「心配は要りませんよ。僕は必ず帰ってくる。帰ってこなければならない。だって―――」 爽やかな笑顔で、 「―――患者を見捨るような医者がどこにいるんです?」 何故かとんでもなく頼り甲斐のありそうに見える笑顔で、カインツは言った。 正人の返事を待たずに試着室のドアを閉め、わざと音を立てて明後日の方向に走っていく。 その音を聞いて気付いたのか、やっと「危険人物」の焦ったような足音が聞こえ始める。 どうやら相手はこちらの場所さえ見当はつけられていなかったらしい。 恐らくは素人。 さっきの連中ほど厄介な相手とはとても思えないし、ここは適当に撃退してお帰り願うとしよう。 数分後、カインツ・アルフォードは狼――香坂幹葦との邂逅を果たす。 それが、鬼ごっこの始まりだった。 時系列順で読む Back Alice Magic/退廃の宴 Next Alice Magic/イカサマライフゲイム 投下順で読む Back Alice Magic/退廃の宴 Next Alice Magic/イカサマライフゲイム 062 Alice Magic/退廃の宴 大崎年光 062 Alice Magic/イカサマライフゲイム 062 Alice Magic/退廃の宴 古川正人 062 Alice Magic/イカサマライフゲイム 062 Alice Magic/退廃の宴 カインツ・アルフォード 062 Alice Magic/イカサマライフゲイム 062 Alice Magic/退廃の宴 白崎ミュートン 062 Alice Magic/イカサマライフゲイム 062 Alice Magic/退廃の宴 酒々楽々 062 Alice Magic/イカサマライフゲイム 062 Alice Magic/退廃の宴 愛崎一美 062 Alice Magic/イカサマライフゲイム 062 Alice Magic/退廃の宴 香坂幹葦 062 Alice Magic/イカサマライフゲイム 062 Alice Magic/退廃の宴 紆余曲折 062 Alice Magic/イカサマライフゲイム
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「宇宙一のスペシャルポリスとは、宇宙一のチームの一員になることです。」 【名前】 赤座伴番 【読み方】 あかざ ばんばん 【俳優】 載寧龍二 【登場作品】 特捜戦隊デカレンジャー魔法戦隊マジレンジャーVSデカレンジャー海賊戦隊ゴーカイジャー 【初登場話(デカレン)】 Episode.01「ファイヤーボール・ニューカマー」 【登場話(ゴーカイ)】 第5話「ジャッジメント・パイレーツ」 【分類】 人間、戦隊ヒーロー 【名前の由来】 アガサ・クリスティ+番茶 【特捜戦隊デカレンジャー】 地球警察地球署に着任することになった新米捜査官で、デカレッドの変身者。 愛称は「バン」。 2丁拳銃を使う宇宙警察銃挙法「ジュウクンドー」を得意としている。 破天荒だが正義感が強く、「火の玉野郎」と称される程の熱血漢で、その性格のため警察学校時代は問題児とされていた。 自身が担当した事件の中でアリエナイザー・ドン・モヤイダに殺害された少年の「宇宙一のスペシャルポリスになる」という夢を自分が代わりに叶えることを目標とする。 ホージーやテツとは対立することが多かったが次第に打ち解けていき、 それぞれ「相棒」や「後輩」と呼ぶようになった。 女好きだが、恋に成就した試しはない。 四字熟語に相当詳しい(中には熟語とは言い難い怪しいものもある)。 先祖・赤座伴之進は新撰組隊士。 Episode.47で初代デカレッド候補生のギョク・ロウにスカウトされ、彼が結成した宇宙警察の新組織「ファイヤースクワッド」に移動することになる。 当初は乗り気ではなかったが、テツの熱い行動から考えを改め、 Episode.50でエージェント・アブレラとの決着後、正式に転出していった。 【魔法戦隊マジレンジャーVSデカレンジャー】 長髪になっており、エージェントXに殺害された宇宙人の家族の写真をペンダントにして身に着けている。 小津魁にペンダントを見られた際には「もうこれ以上悲しい家族は一人も生みたくない」と語った。 【海賊戦隊ゴーカイジャー】 『デカレンジャー』本編と比べてやや落ち着いた雰囲気となっている。 事件解決後にドギー・クルーガー、ゴーカイジャーの前に姿を現し、5人に「俺達の力を下手に使ったら許さない」との言葉を贈った。 その後、調査報告をするとドギーを連れて去っていった。
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「シ~キソ~クゼ~クゥウゥウゥ・・・・」 ナムコの3D格闘ゲーム『鉄拳』シリーズに登場するキャラクター。 同シリーズでは『初代』から皆勤賞を果たしている、鉄拳界きってのイロモノキャラである。 また『ソウルキャリバー』シリーズには初代党首の吉光がプレイアブルキャラクターとしてレギュラー参戦している。 PS2版『II』では三島平八がゲスト参戦していたため、時を越えて鉄拳レギュラーキャラによる対決が実現した。 CVは初代~『TT』までは『鉄拳』シリーズの生みの親の原田勝弘氏、 『4』以降と『ストリートファイター X 鉄拳』では 関智一 氏。 基本的に四字熟語のみで話し、いずれもボイスにエフェクトがかかっている。 『ソウルキャリバー』においては『I』~『III』では檜山修之氏(同シリーズでジークフリートやリンクも担当)、『IV』『V』では若本規夫氏。 檜山氏の頃も『鉄拳』シリーズと同じく四字熟語で喋っていたが、何故か若本氏に交代してからやたら饒舌に喋るようになった。 『V』では二代目に代替わりしているが、CVに変更はない。 キャラクター概要 格闘スタイル 卍忍術進化型(初代では「卍流柔術」、『2』では「卍忍術」) 国籍 無し(元日本) 年齢 63歳(『鉄拳』)、65歳(『鉄拳2』)*1 性別 男(とされている) 趣味 ネットサーフィン、ゲーセンへ通うこと(マナーの悪い者は嫌いらしい) 義族集団「卍党」の党首として、貧しい者のために日々闘っている。 異名は「からくり宇宙忍者」(カスタマイズアイテムに両腕ハサミが有った作品も)。 常に素顔を隠し、妖刀吉光を武器に戦う。 + 『鉄拳』シリーズにおける動向 鉄拳(初代) 三島財閥が不正に貯蓄した富を貧しい人々へ分け与えるために党首自ら囮となり大会へ参加。 奪取に成功し、スラム街の貧しい人々に盗んだ札束をばら撒いた (家庭用版でのエンディングで描写され、中には大会で敗退したマーシャル・ロウの姿もあった)。 大会後にロシアの天才科学者「Dr.ボスコノビッチ」が開発した永久機関を狙い研究所を襲撃するも失敗。左腕を失うが、 意外なことにボスコノビッチ本人が永久機関で動く義手を作ってくれる。 これにより吉光はDr.ボスコノビッチと和解し、その後も度々世話になっている。 鉄拳2 三島一八に誘拐されたDr.ボスコノビッチ救出のため大会へ参加。 鉄拳3 Dr.ボスコノビッチが謎の病原体に侵され、助けるために必要だと知った「闘神」の血が入手できると突き止め、大会に参加。 エンディングでは実験用マウスが闘神の血を飲む様子をボスコノビッチと一緒に観察していたが、 異変に気付いた吉光がボスコノビッチを抱え、暴走したマウスから全力で逃走した。 この作品から般若面が頭部全体を覆い、肌が完全に視認できなくなっている。 更には妖刀吉光がライトセーバーになるカラーも追加された。 鉄拳タッグトーナメント お祭りゲーなのでストーリーは無し。 短期間の開発であるためか本作では『3』準拠のデザインで出演している。 エンディングでは雪が降りしきる森林の中、元・卍党員の州光と決闘。 互いに寄って斬り掛かる中、吉光は無数の分身を生み出しつつすれ違いざまに一閃。 その後、州光は倒れ、吉光は勝利ポーズを取った (州光のエンディングも同じシチュエーションの逆パターンとなっており、この場合では吉光は分身を出していない)。 鉄拳4 優勝して三島財閥の全てを手に入れればもっと苦しむ人々を助けられる、と考え大会に参加。 大会中にDr.ボスコノビッチの指示により瀕死のレプリカント「ブライアン」を助け出したが、 そのブライアンに卍党党員が皆殺しにされてしまう。 この作品の吉光はカブトムシを思わせるデザインになっており、「虫光」とも称されている。 鉄拳5 恩を仇で返したブライアンに対して党員の仇を取る為大会に参加、以降ブライアンとは仇敵になる。 大会の途中、これまで邪悪な精神を持つ者を斬ることで暴走を抑えていた妖刀吉光が、禍々しさを増していることに気付く。 家庭用版のストーリーモードでは、本作から初登場した(どちらかと言えば)正統派忍者のレイヴンに「お前は忍者ではない」と断言されて憤慨するが、 試合後のデモムービーではレイヴンに九字を教えてもらうも失敗続きで怒られるというお茶目な一面を見せた。 鉄拳6 妖刀の力を封じる封魔刀を手にすることで一時的に暴走を抑えた吉光は、妖刀の力を正常に戻すために大会に参加。 エンディングではラスボスのアザゼルから取り出した玉が妖刀に憑り付いてしまう。 その後、吉光は目を赤く発光させながら遺跡を一刀両断した。 乗っ取られる展開のエンディングから次回ナンバリングタイトルでどうなるか不安の声も挙がったが、 正史では風間仁がアザゼルを倒したことになったため、何事も無かったかのように続投した。 鉄拳タッグトーナメント2 お祭りゲー第2弾。 本作では竹谷隆之氏が吉光のキャラクターデザインを担当しており、 従来の般若面や妖怪、骸骨とは違って鬼を思わせるような禍々しい容貌になっている。 エンディングでは『5』と同様ブライアンと対決している一方、 州光やレイヴンのエンディングでも敵役として登場している。 鉄拳7 シリーズで初めてタイムリリースキャラクターとして登場。 本作でのデザインはなんとイカかタコを思わせるような軟体動物風になっており、ユーザーを驚かせた。 キャッチコピーの「からくり宇宙忍者」も相まって、本当に侵略してくるんじゃないだろうか 頭に生やした二本の触手がゲーム中とにかく不気味によくうねる。 また、「吉光のバトルスーツはボスコノビッチ研究所で毎回新調されている」という設定が、 鉄拳の生みの親である原田勝弘氏によって明らかにされた。 参戦作毎に容姿が(1P2Pカラーでも)異なる、得物持ち、会話は四字熟語、格ゲー界隈でも屈指のガー不技、自決技の多さ…と、 『鉄拳』の濃い部分をより凝縮したキャラとなっている。 ──が、上述の動向を見れば分かるように、彼は紛れもなく善人である。 その点、初代主人公からして悪党で基本的に己の欲望に忠実なキャラの多い『鉄拳』シリーズの中では少数派と言えよう。 あぐらをかけば体力回復して空中浮遊したまま移動可能、背中を向ければ体力回復。さらに切腹で相手(と自分)に向けて刃を向け、 毒霧を吹いてみたりたまに分身したりアイアンクローで体力吸収してみたり、むしろ自分の体力を相手に注入したり、 刀(抜刀技は基本的にガー不)を竹馬にしたり一点バランスを取ったりタケコプターしたり、他のキャラの最速発生が8Fの中で自分だけ4F技を持ってたりと、 初見殺しかつリーチに優れた高性能な技を多数所持している。 『6』以降は二刀流となり、納刀・抜刀状態を使い分けられるようになった。 『ソウルキャリバー』参戦時は武器を持つ手が逆だったり『鉄拳』に無い技があったりと差別化されていたが、後に逆輸入されている。 『ストリートファイター X 鉄拳』ではレイヴンとニンジャタッグを組んで参戦。外見は『3』時代のものになっている。 また、敵対関係にある元・卍党員の州光も初期は吉光のコンパチだったが、 家庭用『TAG2』に参戦した際はより忍者(というよりはくノ一だが)らしい外見と技になっている。 『ポッ拳』では直接の外部出演はないものの、同作に登場するジュカインが吉光の技を一部所有しており、 リーフブレードによる剣裁きは勿論、飯綱落としや毒霧まで使用してくる。ただし切腹はしない MUGENにおける吉光 Da_Maverik氏による3Dモデルをベースにした吉光が存在する。外見は『TAG2』準拠。 5ボタン仕様だったり発生コマンドに若干違いはあるものの、卍あぐらや地雷刃、背向け派生技など吉光要素はひと通り揃っている。 10連コンボはゲージ消費の乱舞技になっている。もちろん皆さん期待の切腹技も搭載されている。 AIは未搭載。 プレイヤー操作 これとは別に、chuchoryu氏によって『3』1P準拠の吉光が製作されている。 DarkonMK氏の『6』2P準拠の吉光も存在していたが、こちらは現在入手不可である。 参考動画(DarkonMK氏製) 「因果応報!」 出場大会 「[大会] [吉光]」をタグに含むページは1つもありません。 プレイヤー操作 一般的な修行風景( 特別編「紅蓮の格闘王」 操作キャラ) *1 年齢については一部の攻略本に記載。 『鉄拳3』以降は不明だが、年表から考えれば『3』で84歳、『4』以降で86歳と高齢の域に達している (しかもそれを上回る105歳のキャラクターも存在していたりする)。 なお、これは『2』以前と『3』以降が同一人物であると仮定した場合の話なので、 『ソウル』シリーズのように代替わりしている可能性もなくはないです。
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2006年12月1日、あったら嫌な妖怪に附色風狸(ふしょくふぅり)という四字熟語のおまけとしてhyousen氏が書き込んだ落語。(あったら嫌な妖怪 0649) むかしむかし、唐の国で 倭国から輸入された「すねこすり」が大ブーム!! 上は王宮の君子官女から、下は長屋の陳さん李さんまで 「おはぐろべったり」ならぬ「すねこすべったり」で、 すりすりの技巧、毛並の珍奇などを競う「摩臑競」などは ひと月の内に全国各地で何十何百と行われる有り様。 中には一匹の価に、山が五十個は買える程の高額がつけられる 「すねこすり」も現われるようになりまして、 セレブや投機家はこぞってこれを買い求め 世はこれ「すねバブル」の活況を見せておりました。 そんなところに眼をつけて、 こいつでひとやまあててやろぅ――と考えたのが 唐の国、ちんぷん州の裏店に住む 「百眼銭」(ひゃくがんせん)という名のムカデの妖怪。 近所に住む漢学の先生から 「すねこすり」と「風狸」は毛色こそ違えど割と似ている、 と聴き出した「百眼銭」は、南国から「風狸」を捕ってきて、 その毛の色を染め替えて、にせ「すねこすり」を作って大儲け。 ところがひょんなことからこれが大発覚。 (すねこすりを食べようとした某公主様が すねこすりを切ろうとしたところ まったく切れなかった=風狸は刀などで切れないし、焼けない) お裁きにかけられた「百眼銭」は身代没収&遠島となりました。 にせ「すねこすり」にされていた「風狸」さんたちも 無事に開放されて、一件落着となりました。 …その後、「百眼銭」が島から帰ってくると 「すねこすり」ブームは沈静化し、世は新たに「かっぱ」ブーム真っ盛り。 百 「せんせぃ、ごめんくだせぇ、またイロイロとお訊ねしたいことが…」 先 「なんだ、また懲りずに【附色風狸】な商売をはじめる気か」 百 「いぇいぇ、ふうりはもぅ結構、 今度売るのは、きゅうりでございます」 ――偽典落語「すねこすり」(作/莱莉垣桜文)より あったら嫌な妖怪 鬼喜期待